2015/09/18

文字を見ると音が聞こえてくる

【新・英語屋通信】(45)

 僕は現在、周囲に英語話者が見当たらない大分県に住んでいるので、日常的に英語を使う機会は皆無です。たまに家内のメル友のカナダ人が来日したとき、僕が出迎えたりして、しばし相手をさせられて、拙い英語を使う程度の環境です。
 彼に会って、僕が“How have you been?”を言い終わらないうちに、“Coul|d_be better.”などと彼が挨拶をかぶせてきます。そして彼が“an|d_you?”と言い終えてから、僕が“So-so.”とか“Same as usual.”などと返しています。実際の英会話では、自分が言い終える前に、相手が言葉を重ねてくるので、いつもおたおたさせられます。普段から口の筋肉と反射脳を鍛えておく必要があると思うのですが、実行を怠っています。
 僕は保育園の年中組から英会話を始めました。レッスンはいつも“Hello!”から始まりましたが、語頭部の‘he’が「ヘ」になるので、何度も何度も〔h〕だけを言い直させられました。大人になってから〔h〕に続く‘e’が「弱母音」であると知りました。
 〔h〕を単独に言えたら、次は“How are you?”の how つまり〔h〕〔ow〕の2音をやはり何度か言わされました。その当時は〔h〕と〔ow〕が別々と音と知りませんでしたが、僕が使うトイレの壁に母がPV法の子音・母音の表を貼り付けていたので、そのおかげで英単語の綴りを無意識にそのルールで読むようになりました。文字はPV法の表以外いっさい見た記憶がありません。いま「文字を見たら音が聞こえてくる」ので、発音を徹底的に叩き込んでくれたクレイグ・ゴールズベリイと世羅洋子の両先生に感謝しています。
 また、小学校1年生までにまったく同じメニューのレッスンを3回受け、毎回の授業で“What day is today?”と聞かれ、その日は月曜日だったから、いつも“It's Monday.”と答えていました。続いて“What day was yesterday?”に対して、“It was Sunday.”と答えていましたが、“What day will it be tomorrow?”は聞き取れず、“It will be Tuesday.”になる理屈がわからなかったけれど、it will be は口癖になりました。
 僕は理数系のタイプだから、中学以降に教わる日本式英語は、パズルを解くような気分で接しました。読む技術はどうってことありませんが、会話をする機会がほとんどなかったため、英語話者に猛烈なスピードで話されるとついていけません。英語話者と交流するとき、自分の言いたいことを言える「スピーキングの訓練」をするべきと思いつつも、直前の目標がないと、人はなかなか準備しないものですね。
(ヤブレカブレ)
2015.9.18(金)