2015/06/06

発音記号が音を出すわけではない

【新・英語屋通信】(24)

【Q】発音を学ぶとき、発音記号を見るのに辞書を引いたりする時間が惜しいけれど、何とかならないでしょうか?(T・O)

【A】「発音記号」は文字の1種だから、音を出してくれません。言葉はまず音声ありきで、母語話者は幼児期に音声の出し方を自然に身に付けます。外国語を学ぶ場合、なにはさておき、その話し言葉を構成するサウンドの「発声法」から始めなければなりません。すべての音声を正確に発音できて初めて、発音記号との照合が可能になります。
 日本人はとかく、カタカナ音を英語音に当てはめがちですが、両者はまったく異質なものと承知してください。カタカナと発音記号を一致させたところで、何の意味もないどころか、間違ったサウンドが身に付くと、むしろ英語学習の大きな障害になります。
 英語のサウンドはPV法で学んで、「45種の単音」および「アクセントのあり方」による「リズム」を会得すれば、単語の大半を自力で正しく発音できるようになります。あらかじめ音声のあり方を知っておけば、誤差的な語の発音記号だけを確かめれば済みます。
 英単語には外来語が多く、例外的な綴りが多々ありますが、発声法を知っておけば、発音記号は役立つガイドになります。ちなみに、英語話者で発音記号を知る者は皆無に近いでしょう。英語の辞書類は、綴りを読むための独自の記号を定めていますが、統一された共通記号になっていません。
2015.6.6(土)