2015/05/19

“Hop on Pop” by Dr. Seuss

【新・英語屋通信】(14)

子供たちは絵本でファミリー語を学ぶ
 「同音同綴の母音」を含む単語のグループを「ファミリー語」と言います。そのファミリー語の何たるかを説明するとき、たいてい1音節語が例に使われます。
 kid・zip・thin・this・whip・rich・limp などでは、語中音〔-i-〕がファミリーを形成しています。pig・pin・pick・pitch・pill などでは、語頭・語中の〔pi-〕をファミリーと見なします。hit・fit・quit・wit・sit・shit などでは、語中・語尾の〔-it〕がファミリーを作っています。
 昔のアメリカの家庭で子供に文字の読み方を教えるとき、1単語だけの音声と綴りの関係を単独に教えるのではなく、同じサウンドを含むファミリー語をまとめて教えていました。ファミリー語はいわば、フォニックスの前身に相当する存在です。
 “Hop on Pop”は1963年制作のDr.スースの名著です。hop は“hop, step, jump”の hop で、ビールに苦味や香りを添える hop ではありません。pop にも「ポンと言う音」の意の pop や popular の短縮語がありますが、ここでは「おやじ」類を指します。
 hop も pop も軽快な響きを持つファミリー語として、HOP POP のページに父熊の腹の上で2匹の子熊が hop する挿し絵を添えて“We like to hop on top of Pop.”とあります。その右のページは STOP と題して、おやじ熊が“You must not hop on Pop!”と子熊を叱りつけるイラストが描かれています。
 最終章は“What does this say?”とあり、囲みの中に“seehemewe, patpuppop...”などと書かれています。綴りの読み方を覚えさせるための全編これファミリー語の絵本で、子供に読んで聞かせる最高の教材として永遠のロングセラーになっています。
 当社の蔵書には$3.95のラベルが貼られています。本の値段はたかだか知れていますが、カセットテープはアマゾンに12,491円と見えています。「べらぼう!」と言いたくなりますが、PV法の45種の単音の正しい発音をマスターすればカセットは買わずに済ませます。ちなみに、アクセントは1音節語の母音を強く発音すればいいだけですが、文ではやはりリズムが生じます。PV法を確実に身に付けてから読んでください。
(編集部)

http://www.amazon.co.jp/Hop-Pop-Beginner-Books-R/dp/039480029X
2015.5.19(火)